释义 |
隠れたるより見るるはなし隠れての信は顕れての徳かく・れる【隠れる】アクセント かくれ↓る 〘動ラ下一〙文かく・る〘ラ下二〙1物の陰になったり、さえぎられたりして見えなくなる。「月が雲間に―・れる」2身を人目につかないようにする。「物陰に―・れる」 「親に―・れてたばこを吸う」3表面・外部から見えないところに存在する。ひそむ。「事件の裏に―・れた謎がある」4(ふつう、「隠れた」の形で)世間に名前や力が知られないでいる。また、官職につかないで民間にいる。「―・れた人材を発掘する」 「―・れた功績」5世をのがれて、ひそむ。隠遁いんとんする。「山に―・れる」6高貴な人が死ぬ。現代ではふつう「お隠れになる」の形を使う。→おかくれ「後二条関白殿…御年三十八にて遂に―・れさせ給ひぬ」〈平家・一〉類語 (1)紛まぎれる・没する/(2)潜ひそむ・忍しのぶ・伏ふす・潜もぐる・紛まぎれる・紛れ込む・逃げ込む・潜伏せんぷくする・隠伏する・韜晦とうかいする・身を隠す・身を潜ひそめる・人目を盗む・人目を忍ぶ・人目を憚る・人目を避ける・鳴りを潜める・雲隠れ/(3)潜ひそむ・伏在する・潜在する・潜在的・水面下・隠然・秘める/(4)知る人ぞ知る・無名・名も無い隠かくれたるより見あらわるるはなし《「礼記」中庸から》1人に隠れて悪事をして、だれも知らないと思うのは誤りで、自分が知っているのだから、これ以上明らかなことはない。2秘密はかえって世間に知られやすい。隠すより現る。類語 こそこそ三里・壁に耳あり・壁に耳あり障子に目あり・後ろの目壁に耳・壁の物言う世・牆かきに耳あり・障子に目あり・闇夜に目あり・藪やぶに目・天知る地知る我知る子し知る隠かくれての信しんは顕あらわれての徳とく心の中に秘めた信仰にも、利益りやくが必ずあらわれてくる。また、人に知られない善行にも、必ずよい報いがある。隠れたる信あらば顕れたる験しるし。 |