释义 |
けしから◦ず【▽怪しからず】〘連語〙《形容詞「け(怪)し」の未然形+打消しの助動詞「ず」》1特に何ということもない。たいしたことがない。「世の中のかくはかなければ、―◦ぬ童わらはべの行く先思ひやられて」〈宇津保・春日詣〉2はなはだ不都合である。あるまじきことだ。「何か―◦ず侍らむ。道理なき事にも侍らばこそあらめ」〈落窪・三〉3常識を外れている。普通ではない。「―◦ぬ泰親が今の泣きやうや」〈平家・三〉4異様である。あやしげだ。「木霊こたまなど云ふ、―◦ぬかたちもあらはるるものなり」〈徒然・二三五〉5並大抵でない。はなはだしい。「―◦ぬお寒さでございます」〈滑・浮世風呂・二〉補説 形容詞「けし」ですでに、普通でない、よくないの意味があり、それを「ず」で否定した形が、かえってもとの意味を強めることになったもの。 |