释义 |
けむ〘助動〙[(けま)|○|けむ(けん)|けむ(けん)|けめ|○]《過去の助動詞「き」の未然形の古形「け」+推量の助動詞「む」から》活用語の連用形に付く。1過去の事実についての推量を表す。…ただろう。…だったろう。「この国に跡を垂るべき宿世こそありけめ」〈更級〉2過去に起こった事実の原因や理由について推量する意を表す。…たのだろう。…だったのだろう。「時々の花は咲けども何すれそ母とふ花の咲き出来でこずけむ」〈万・四三二三〉「み園生そのふの百木ももきの梅の散る花し天に飛び上がり雪と降りけむ」〈万・三九〇六〉3多く下に体言を伴って、過去の事実を他から伝え聞いたこととして表す。…たとかいう。「顕基の中納言の言ひけん配所の月、罪なくて見んこと、さもおぼえぬべし」〈徒然・五〉補説 過去の助動詞の終止形「き」に推量の助動詞の古形「あむ」が付いた「きあむ」の音変化ともいう。主として中世以後は「けん」とも表記。なお、未然形の「けま」は上代に「けまく」の形で用いられた。 |