释义 |
[一]〘係助〙[二]〘終助〙[三]〘接尾〙こそアクセント こ↓そ 一〘係助〙種々の語に付く。1ある事柄を取り立てて強める意を表す。「今―実行にうつすべきだ」「もののあはれは秋―まされ」〈徒然・一九〉2ある事柄を一応認めておいて、それに対立的、あるいは、否定的な事柄を続ける。「感謝―すれ、恨むことはあるまい」 「賛成―するが、積極的ではない」「昔―外よそにも見しか我妹子わぎもこが奥つきと思へば愛はしき佐保山さほやま」〈万・四七四〉3文末にあって、言いさして強める意を表す。「これはこれは、よう―」 「『先日はありがとう』『いや、こちら―』」→こそあれ →てこそ →とこそ →ばこそ →もこそ「深く信をいたしぬれば、かかる徳もありけるに―」〈徒然・六八〉補説 古語では、文中にあって「係り」となり、文末の活用語尾を已然形で結ぶ。また、上代では連体形で結ぶこともある。係助詞「ぞ」 「なむ」に比し、強調の度合いが強いといわれる。2は、現代語では、多く「こそあれ」 「こそすれ」 「こそするが」などの形で用いられる。3は、「こそ」に続く述語部分を省いたもので、古語では、「あれ」 「あらめ」 「言はめ」が省かれることが多い。二〘終助〙《上代語》用言の連用形に付く。願望を表す。…てほしい。…てくれ。「ぬばたまの夜霧に隠こもり遠くとも妹いもが伝へは早く告げ―」〈万・二〇〇八〉三〘接尾〙1人名などに付けて、呼びかけに用いる。「聞き給ふや、西―といひければ」〈大和・一五八〉2子供の名に付けて、親愛の意を添える。「忠―五になる年の三月に」〈宇津保・忠こそ〉 |