释义 |
然有り然だに然ならず然なりさ【▽然】〘副〙すでにある事物・状態などをうけて、それを指示する語。そのように。そう。「これのみは余りに深く我心に彫りつけられたれば―はあらじと思えど」〈鴎外・舞姫〉「おまへたちも、必ず―思おぼすゆゑ侍らむかし」〈更級〉類語 さよう・そんな・そのような・そうした・そういう・そのように・そう・それほど・然しかく然さ有あ・りそうである。そのとおりだ。「人が笠をさすならば我も笠をささうよ、げにも―・り」〈虎明狂・末広がり〉然さだにせめてそのようにでも。「―も候はば、官加階は肩をならぶる人もあるまじきぞ」〈平家・三〉然さなら◦ず1そのようでない。そうではない。「―◦ぬ事だに、人の御ためには、よさまの事をしも言ひ出でぬ世なれば」〈源・葵〉2そうあるべきではない。「さまことに、―◦ぬ打ちとけわざもし給ひけり」〈源・末摘花〉然さ◦なりそうである。そのとおりだ。「―◦なりとて過ぐしつ」〈今昔・二三・一六〉 |