释义 |
[一]〘名〙[二]〘形動〙[文]〘ナリ〙[三]〘副〙自然に還れ自然は飛躍せずし‐ぜん【自然】アクセント しぜん○ 一〘名〙1山や川、草、木など、人間と人間の手の加わったものを除いた、この世のあらゆるもの。「―に親しむ」 「郊外には―がまだ残っている」2人間を含めての天地間の万物。宇宙。「―の営み」3人間の手の加わらない、そのもの本来のありのままの状態。天然。「野菜には―の甘みがある」4そのものに本来備わっている性質。天性。本性。「人間の―の欲求」5哲学で、㋐他の力に依存せず、自らの内に生成・変化・消滅の原理を有するもの。㋑精神とは区別された物質的世界。もしくは自由を原理とする本体の世界に対し、因果的必然的法則の下にある現象的世界。経験の対象となる一切の現象。二〘形動〙文〘ナリ〙1言動にわざとらしさや無理のないさま。「気どらない―な態度」 「―に振る舞う」2物事が本来あるとおりであるさま。当然。「こうなるのも―な成り行きだ」3ひとりでにそうなるさま。「―にドアが閉まる」派生 しぜんさ〘名〙三〘副〙1ことさら意識したり、手を加えたりせずに事態が進むさま。また、当然の結果としてそうなるさま。おのずから。ひとりでに。「無口だから―(と)友だちも少ない」 「大人になれば―(と)わかる」2《「自然の事」の略》もしかして。万一。「都へ上らばやと思ひしが、―舟なくてはいかがあるべきとて」〈伽・一寸法師〉3たまたま。偶然。「礫つぶて打ちかけしに、―と当り所悪しくそのままむなしくなりぬ」〈浮・諸国ばなし・一〉類語 (一1)天然てんねん・森羅万象しんらばんしょう・天工・造化ぞうか・天造・原始・大自然・天地人/(2)万物/(3)天地てんち・あめつち・山河さんが・山水さんすい・山川草木さんせんそうもく・生態系・ネーチャー/(二1)無為・素朴・有るがまま・ナチュラル・もっとも/(3)(連用修飾語として)自おのずから・自おのずと・ひとりでに自然しぜんに還かえれ社会の因襲による悪影響から脱し、人間本来の自然の状態に還れという、ジャン=ジャック=ルソーの呼び掛け。自然しぜんは飛躍ひやくせず《ラテンnatura non facit saltum.》自然は急激に変化するものではなく、徐々に変わっていくものである。植物学者リンネの言葉。 |