释义 |
遠き慮りなければ必ず近き憂いあり遠きに行くには必ず邇きよりす遠きは花の香近きは糞の香遠き守り遠くて近きは男女の仲とお・い【遠い】〔とほい〕アクセント とおい○ /と↓おい 〘形〙文とほ・し〘ク〙二つのものが空間的、時間的に、また心理的に離れているさま。1場所が非常に離れている。距離が十分にある。「―・い国」 「―・くまで歩く」⇔近い。2時間が非常に離れている。間に多くの時間が流れている。「―・い将来」 「完成には―・い」⇔近い。3関係が薄い。気持ちの隔たりが大きい。親密でない。関心が薄い。「―・い間柄」 「足が―・くなる」⇔近い。4血のつながりが密接でない。「―・い親類」⇔近い。5性質・内容・程度などの隔たりが大きい。似ていない。大きな差がある。「理想から―・い生活」 「秀才というにはあまりに―・い」⇔近い。6はっきり聞こえない。音が小さく聞こえる。「耳が―・い」 「電話が―・い」7(「気が遠くなる」の形で)意識が薄れる。「気が―・くなるほどの数字」8(「目が遠い」の形で)遠視である。「目が―・くて本が読みにくい」⇔近い。派生 とおさ〘名〙下接句 話が遠い・耳が遠い・当たらずと雖いえども遠からず・殷鑑いんかん遠からず・生おい先遠し・言げん近くして意遠し・任重くして道遠し・日暮れて道遠し類語 (1)遠め・程遠い・間遠まどお・遠く・遥か・遥けし・はるばる・遠方・遠隔・遠路・迂遠うえん・悠遠・遼遠・長途・遠距離・僻遠・万里・以遠/(2)久しい・久しぶり・久方ぶり・久久・しばらくぶり・とこしえ・とこしなえ・永久・永遠・とわ・永世・恒久・悠久・悠遠・長久・不変・常磐ときわ・永劫えいごう・永代・久遠くおん・無限・無窮・不朽・万代ばんだい・不易・万世・万古不易・千古不易/(3)遠遠しい・縁遠い・薄い・疎遠・遠縁とおえん・懸隔・開き・無縁・疎い遠とおき慮おもんぱかりなければ必かならず近ちかき憂うれいあり《「論語」衛霊公から》遠い将来のことまで考えずに目先のことばかり考えていると、近いうちに必ず困ったことが起こる。遠慮なければ近憂あり。遠とおきに行いくには必かならず邇ちかきよりす《「礼記」中庸から》物事を行うには、順序を追って手近な事からやっていくべきである。一足とびには物事はできないことのたとえ。類語 千里の行こうも足下そっかに始まる・千里の道も一歩から・百里の道も一足ひとあしから・高きに登るは必ず低きよりす・隗かいより始めよ遠とおきは花はなの香か近ちかきは糞くその香かとかく人は、遠くにあるものを高く評価し、近くにあるものを低く評価するものであるというたとえ。遠とおき守まもり遠く冥土めいどから加護すること。「草の陰にてもうれしと存じ候はば、遠き御守りでこそ候はんずれ」〈平家・七〉遠とおくて近ちかきは男女だんじょの仲なか男女の仲は、遠く離れているように見えても、意外に結ばれやすいこと。 |