释义 |
へ〘格助〙《現在では「え」と発音する》名詞に付く。1動作・作用の移動・進行する目標地点・方向を表す。…の方向に向かって。…の方へ。「西―向かう」「今日けふ、車、京―とりにやる」〈土佐〉2動作・作用の行われる場所・帰着点を表す。…に。「庭―物を捨てるな」 「父も母も留守のところ―訪ねてきた」「十月十四日、関東―下着げちゃく」〈平家・八〉3動作・作用の向けられる相手・対象を表す。…に対して。…に。「父―送った手紙」 「お母さん―よろしくお伝えください」「われらが主の太政入道殿―、いかで参らであるべき」〈平家・二〉補説 「あたり」の意を表す名詞「辺へ」から転じたもの。本来は「に」が場所や動作・作用の帰着点を静止的に指示するのに対し、「へ」は、動作・作用の向かう目標を移動的に指示する傾向が強い。しかし、平安時代末ごろから、2・3の用法が生まれ、「に」との境界がしだいにあいまいになる。 |