释义 |
[一]〘名〙[二][三]〘接尾〙山が当たる山が其処にあるから山片付く山が見える山高からざれば則ち霊ならず山高きが故に貴からず山高く水長し山高ければ谷深し山と言えば川山に千年海に千年山眠る山粧う山笑う山を当てる山を鋳海を煮る山を掛ける山をなす山を抜く山を張るやま【山】アクセント やま↓{が} /【御】おやま○{が} /【複】~やま○{が}一〘名〙1陸地の表面が周辺の土地よりも高く盛り上がった所。日本では古来、草木が生い茂り、さまざまな恵みをもたらす場所としてとらえる。また、古くは神が住む神聖な地域として、信仰の対象や修行の場とされた。「―に登る」 「海の幸、―の幸」2鉱山。鉱物資源を採掘するための施設。また、採掘業。「―を閉鎖する」3㋐土や砂で1の地形を模したもの。「築―」 「砂―」㋑祭礼の山車だしで、1に似せて作った飾り物。舁かき山と曳ひき山とがある。また、山鉾やまぼこの総称。㋒能や歌舞伎で、竹の枠に張った幕に、笹や木の枝葉をかぶせた作り物。4高く盛り上がった状態を、1になぞらえていう語。㋐高く積み上げたもの。「本の―が崩れる」 「洗濯物の―」 「―と積まれた荷物」㋑物の一部で周辺よりも突出しているところ。「ねじの―がつぶれる」 「帽子の―」㋒振動や波動で、周囲よりも波形の高いところ。「計測された音波の―の部分」5たくさん寄り集まっていることや多いことを、1になぞらえていう語。「見物人の―」 「宿題の―」6進行する物事の中で、高まって頂点に達する部分を1にたとえていう語。㋐事の成り行きのうえで、それをどうのりこえるかで成否が決まるという、重要な部分。「病状は今日明日が―だ」 「仕事が―を越える」→峠とうげ㋑文芸などで、展開のうえで最も重要な部分。最もおもしろいところや、最も関心をひく部分。「この小説には―がない」7できることの上限をいう語。精一杯。関の山。「学問は打棄って…、矢張浮気で妄想の恋愛小説を書いて見たいが―だから」〈魯庵・社会百面相〉8見込みの薄さや不確かさを、鉱脈を掘り当てるのが運まかせだったことにたとえていう語。㋐万一の幸運をあてにすること。「何だか会社を始めるとか、始めたとか云うことを聞いたが、そんな―を遣って」〈秋声・足迹〉㋑偶然の的中をあてにした予想。山勘。「試験の―が外れる」9犯罪事件。主に警察やマスコミが用いる。「大きな―を手がける」10売切れ。品切れ。主に飲食店で用いる。11《多く山中につくられたところから》陵墓。山陵。「我妹子わぎもこが入りにし―を便よすかとそ思ふ」〈万・四八一〉12高くてゆるぎないもの。頼りとなる崇高なもの。「笠取の―と頼みし君をおきて涙の雨に濡れつつぞ行く」〈後撰・離別〉13寺。また、境内。「春は必ず―に来たり給へ。あたら妙音菩薩なり」〈読・春雨・樊噲〉14遊女。女郎。「―も太夫も根引きにすべし」〈浮・好色盛衰記〉15動植物名の上に付いて、山野にすんでいたり自生していたりする意を表す。「―猿」 「―桃」二比叡山ひえいざんの称。また、そこにある延暦寺えんりゃくじのこと。園城寺おんじょうじを「寺」というのに対する語。三〘接尾〙助数詞。1盛り分けたものを数えるのに用いる。「一―3三0〇0〇円」2山、特に山林や鉱山を数えるのに用いる。下接語 青山・明あき山・秋山・後あと山・石山・妹いも山・入らず山・岩山・姨捨うばすて山・海山・裏山・大山・奥山・折り山・肩山・金かな山・枯れ山・黒山・小山・先山・死出の山・芝山・柴しば山・島山・地じ山・新しん山・裾すそ山・砂山・関の山・背山・袖そで山・杣そま山・宝の山・立て山・手向たむけ山・築つき山・剣つるぎの山・遠山・床とこ山・留とめ山・外と山・夏山・螺子ねじ山・野山・禿はげ山・裸山・端は山・針の山・針山・春山・引き山・曳ひき山・一山・人山・冬山・坊主山・ぼた山・深み山・焼け山・痩やせ山・山山・夕山・雪山・四方よも山類語 (1)山岳・高山・小山・山山・山並み・連山・連峰・山脈・山塊・山系・山地・山岳地帯・名山・秀峰・高峰・最高峰・高嶺・大山・巨峰・主峰・霊山・霊峰/(2)鉱山・炭鉱・金山・銀山・銅山・炭坑/(6)頂上・頂点・絶頂・最高潮・山場・峠・ピーク・クライマックス山やまが当あた・る勘がぴたりと適中する。予想が当たる。「―・って満点を取る」山やまが其処そこにあるから《Because it is there.》英国の登山家マロリーの言葉で、エベレストに挑戦する理由として答えたものとされる。山やま片付かたつ・く山のすぐ近くにある。片方が山に接している。「雪をおきて梅をな恋ひそあしひきの―・きて家居せる君」〈万・一八四二〉山やまが見み・える事が進んで、完成までの見通しがつく。「難工事もどうやら―・えた」山やま高たかからざれば則すなわち霊れいならず《「世説新語」排調から》山は高くなければ神霊があるとは思えないの意で、人も徳がなければ尊くないということ。山やま高たかきが故ゆえに貴たっとからず《「実語教」の「山高きが故に貴からず、樹あるを以もって貴しと為す」から》どんなに外観がりっぱであっても、内容が伴わなければすぐれているとはいえない。物事は見かけだけで判断するなというたとえ。山高やまたかく水長みずながし君子の徳がすぐれていることを、高くそびえた山、長大な河の流れにたとえていう語。山やま高たかければ谷たに深ふかし相場格言の一。高騰が激しければ、その反動で暴落も激しいものであるという教訓。山やまと言いえば川かわ人の言葉に常に反対することのたとえ。右と言えば左。山やまに千年せんねん海うみに千年せんねん《山に千年、海に千年すんだ蛇が竜になるといわれているところから》世の中の経験を積んで悪賢くなっていること。海千山千。山やま眠ねむ・る《「臥遊録」の「冬山惨淡として眠るが如し」から》冬の山の静まり返ったようすをいう。 季冬 「硝子戸にはんけちかわき―・る/万太郎」山やま粧よそお・う《「臥遊録」の「秋山明浄にして粧うが如し」から》秋の山が紅葉によって色付くようすをいう。 季秋 山やま笑わら・う《「臥遊録」の「春山淡冶たんやとして笑うが如し」から》春の山の草木が一斉に若芽を吹いて、明るい感じになるようすをいう。 季春 「故郷やどちらを見ても―・ふ/子規」山やまを当あ・てる1鉱物を埋蔵している山を掘りあてる。2万一の幸運をねらって行ったことが成功する。「相場で―・てる」山やまを鋳い海うみを煮にる《「史記」呉王濞伝から》山から鉱物を掘り出して金属を鋳造し、海水を煮て塩を得る。国中に多くの産物を得ることのたとえ。山やまを掛か・けるアクセント やま↓をかけ↓る 万が一の幸運をねらって物事をする。そうなるであろうと予想して準備する。山を張る。「試験問題に―・ける」類語 山勘・腰撓め・山を張る山やまをな・すうずたかくなる。たくさんたまる。山積する。「課題が―・している」山やまを抜ぬ・く《「史記」項羽本紀の「力は山を抜き、気は世を蓋おおう」から》山を抜き取るほど力が強大である。→抜山蓋世ばつざんがいせい山やまを張は・る「山を掛ける」に同じ。「―・って打席に立つ」 |