释义 |
より〘格助〙名詞、活用語の連体形、副詞、一部の助詞などに付く。1比較の標準・基準を表す。「思った―若い」 「以前―腕があがった」「おなじ程、それ―下﨟げらふの更衣たちは、まして安からず」〈源・桐壺〉2ある事物を、他との比較・対照としてとりあげる意を表す。「僕―君のほうが金持ちだ」 「音楽―美術の道へ進みたい」「その人、かたち―は、心なむまさりたりける」〈伊勢・二〉3(打消しの語と呼応して)それに限定するという意を表す。「そうする―ほかはない」 「狭いが、ここで寝る―しかたがない」「ひとりの娘―ほかにやるものがござらぬ」〈浮・胸算用・二〉4動作・作用の起点を表す。…から。「午前一〇時―行う」 「父―手紙が届いた」 「東―横綱登場」「うたたねに恋しき人を見てし―夢てふものはたのみそめてき」〈古今・恋二〉5事柄の理由・原因・出自を表す。…がもとになって。…から。…のために。「百薬の長とはいへど、万よろづの病は酒―こそ起これ」〈徒然・一七五〉6動作の移動・経由する場所を表す。…を通って。…を。…から。「木この間ま―もりくる月の影見れば心づくしの秋はきにけり」〈古今・秋上〉7動作・作用の手段・方法を表す。…によって。…で。「他夫ひとづまの馬―行くに己夫おのづまし徒歩かち―行けば見るごとに音ねのみし泣かゆ」〈万・三三一四〉8(活用語の連体形に付き)ある動作・作用のあと、すぐ別の動作・作用の起こる意を表す。…とすぐ。…と同時に。…や否や。→から →ゆ →ゆり →よ →よりか →よりも「三里に灸きうすうる―、松島の月まづ心にかかりて」〈奥の細道〉補説 古語ではかなり広く種々の意味に用いられたが、現代語では、比較の基準を表す用法が主で、その他の用法は、中世末ごろから「から」 「にて」 「で」などに譲っている。なお、4は、多く書き言葉や、改まった言い方に用いられる。 |