释义 |
[一]〘終助〙[二]〘間助〙[三]〘格助〙よ一〘終助〙文末の種々の語に付く。1判断・主張・感情などを強めて相手に知らせたり、言い聞かせたりする意を表す。「気をつけるんだ―」 「ひとりで行ける―」「われこそ山だち(=山賊)―と言ひて」〈徒然・八七〉2(命令表現や禁止の助詞「な」に付いて)願望・依頼・禁止の意を強めて表す。「乱暴はよしな―」 「はやく来い―」「今秋風吹かむ折ぞ来むとする。待て―」〈枕・四三〉3(疑問を表す語に付いて)相手をなじる意を表す。「しゃべったのはだれ―」 「何―、この子は」4(推量の助動詞「う」 「よう」に付いて)勧誘・ねだり・投げやりの意を表す。「早く行きましょう―」 「わたしなど眼中にないんでしょう―」補説 現代語では、終止形に付く場合、男性語としてはその終止形に直に下接するが、女性語では「のよ」 「わよ」 「ことよ」 「てよ」などの形で、また、名詞、形容動詞の語幹に付いて、用いられることが多い。二〘間助〙文中の種々の語に付く。1呼びかけの意を表す。「おおい、雲―」 「田中君―、手をかしてくれないか」「少納言―香炉峰の雪いかならむ」〈枕・二九九〉2語調を整えたり、強めたりする意を表す。「それなら―、君は―、どうする」「されば―、なほけ近さは、とかつおぼさる」〈源・若菜上〉3感動・詠嘆の意を表す。…(だ)なあ。「あら思はずや、あづまにもこれ程優なる人のありける―」〈平家・一〇〉補説 2は、現代語では多く「だよ」 「ですよ」の形で使われる。なお、「だ」 「です」を省いて用いると、「もしもよ」 「かりによ」のような仮定を表す言い方は別として、「さ」に比して粗野な感じを伴う。長音形の「よう」はいっそうその感が強い。なお、古語の一段活用・二段活用やサ変・カ変動詞の命令形語尾の「よ」も、もともとは間投助詞の「よ」で、中古以降は「…よ」の形が一般化したため、「よ」を含めて命令形と扱うようになった。三〘格助〙《上代語》名詞、活用語の連体形に付く。1動作・作用の起点を表す。…から。「狭井河さゐがは―雲立ち渡り畝火山うねびやま木の葉さやぎぬ風吹かむとす」〈記・中・歌謡〉2動作の移動・経由する場所を表す。…を通って。「ほととぎすこ―鳴き渡れ灯火ともしびを月夜つくよになそへその影も見む」〈万・四〇五四〉3比較の基準を表す。…より。「雲に飛ぶ薬食はむ―は都見ばいやしき我が身またをちぬべし(=若返ルニ違イナイ)」〈万・八四八〉4動作・作用の手段・方法を表す。…によって。…で。→ゆ →ゆり →より「浅小竹原あさじのはら腰なづむ空は行かず足―行くな」〈記・中・歌謡〉 |