[他五]❶[作・造・創] 原料・材料・素材などに手を加えたり部品を組み立てたりして、あるまとまったものを新たに生み出す。「棚[食事・模型飛行機・曲]を作る」「鳥が巣を作る」「米から酒を造る」「船[市庁舎]を造る」「パルプから紙を造る」書き方「創」を使う場合もある。[[書き分け]] 使い方注文生産の場合は、作製者より注文主が主語に立つことが多い。「市が公会堂を造る」 ❷[作] 組織・制度・仕組みなどを新しく生み出す。「国[内閣・会社・バンド・システム・法律]を作る」❸[作] (苦心や努力によって)ある環境や雰囲気などを生み出す。「住みよい町を作る」「働きやすい環境を作る」「巧みな演出で華やいだ雰囲気を作る」使い方「電飾が独特のムードを作る」のように、〈物〉を主語にしてもいう。
❹[作] 次世代の生命を新しく生み出す。「子供を作る」「子孫を作る」「交配させて新しい品種を作る」❺[作] (教育や訓練によって)好ましい人材や健全な精神・肉体を生み出す。「○○ジムが世界チャンピオンを作る」「激しい訓練で強靱な精神を作る」「試合に備えて体を作る」使い方「教育が人を作る」のように〈物〉を主語にしてもいう。
❻[作] 土を耕して作物を育てる環境を生み出す。また、それによって作物を生産する。「畑[家庭菜園]を作る」「米[ミカン]を作る」❼[作] 素材に手を加えて別のものに変える。~にする。「鯛を刺身に作る」「木片を仏像に作る」「感動を歌に作る」~ヲに〈対象〉を、~ニに〈結果〉をとって変化に注目していう言い方。その点で、~ヲに〈結果〉をとる「刺身[仏像・小説・歌]をつくる」(①の意)などと区別される。 ❽[作] あるところに新たに特徴的なあるものを生じさせる。(意図的な行為にもそうでない行為にもいう)「木片に刻み目を作る」「壁とたんすの間にすき間を作る」「眉間に傷を作る」「殴られて頭にこぶを作る」❾[作] 新たに財産を築いたり資金を調達したりする。「財産を作る」「銀行から借りて運転資金を作る」❿[作] ある特徴的な事柄を新たに生み出す。「世界記録[前例]を作る」「堂々たる実績を作る」⓫[作] 物事の原因や基盤を新たに生み出す。「初代が発展の基礎を作る」使い方〈物〉を主語にしてもいう。「二代目の放蕩が崩壊の原因を作る」
⓬[作] そういう立場や対人関係にある人を新たに生み出す。「賛同者[友達]を作る」「男[女]を作る」使い方〈物〉を主語にしてもいう。「傲慢な態度が敵を作る」
⓭[作] ことさらにそういう表情や態度をする。また、口実やうその話などをこしらえる。「笑顔[しな・声]を作る」「若く作る」「口実を作る」⓮[作] 複数のものが寄り集まって、あるまとまった形のものを生じさせる。形成する。「円陣[行列]を作る」「見物人が人垣を作る」「家々が集まって集落を作る」⓯[作] 人が体(の一部)を使って、文字や図形を生じさせる。「両手で大きく輪を作る」「指を丸めて『OK』の合図を作る」⓰[作] そういう時間や状況を生じさせる。「お会いする機会を作って下さい」「暇を作ってはときどき旅行する」使い方〈物〉を主語にしてもいう。「連続ヒットが絶好のチャンスを作る」
⓱[作] 人の行動や自然の作用がある現象・状態・物質などを生じさせる。「電流を流して磁場を作る」「夕日が地面に長い影を作る」「肝臓が胆汁を作る」「隣り合った二辺が鋭角を作る」⓲[作] 文法で、ことばが結びついてより大きな単位体を生み出す。「文末に助詞を添えて疑問文を作る」⓳[作] 文字をそのような形に設計する。「康煕体はシンニョウを二点に作る」⓴[作] ある行為によって貸し借りの関係を生じさせる。「相手に貸しを作る」「彼には借りを作りたくない」書き分け[作] は、小規模な物や抽象的なものをつくる意で広く使う。[造] は大規模な物や具象的な物を工業的につくる意で、「建造・造営・造成・造船・造園・造兵・造幣・造機・醸造」などを踏まえて使う。①の用例の「造」で示したものや、「道路[宅地・庭・紙幣]を造る」など。また「刺身を造る」 「お造り」でも好まれる。[創] は、「創造・創作・創出」などを踏まえて、独創性を強調するときに使う。「神が天地を創る」 「詩を創る」 「新しい文化[組織・制度]を創る」など。[創] は、一般には「作」(時に「造」)と書くことができる。 可能つくれる名つくり(作・造・創)作る/作る工作 拵える 拵える 細工 作成 作製 制作 製作 製する 製造 調製 作り上げる(造り上げる・創り上げる) 作り置き 作り替える(造り替える) 作り出す・造り出す・創り出す メーキング リメイク