[他五]❶ある物の内部に先のとがった物を突き入れる。突き刺す。「大根に箸を刺す」「壁に鋲を刺してカレンダーを止める」「患部に鍼を刺す」「胸に短刀を刺す」「釘を刺して(=念を押して)おく」❷ある物を先のとがった物に突き刺して、固定したりひとまとめにしたりする。「アユを串に刺して焼く」「糸を通した針に花びらを刺して首飾りを作る」❸先のとがった物を体の内部に突き入れて、人などを傷つける。「ナイフで相手の胸を刺す」「過って人を刺してしまう」「とどめを刺す(=確実に息の根を止める)」❹虫やクラゲなどが人を傷つけて害を加える。「ハチが襲って人を刺す」「蚊に刺される(=食われる)」書き方昆虫の場合は「▼螫す」とも。
❺つづり合わせるために、畳や厚い布などに針を突き入れる。また、そのようにして物を作る。「太針を刺して畳を縫う」「雑巾を刺す」❻[差す⑦]「流れに棹を刺す」❼〔古風〕もちざおで小鳥を捕らえる。「鳥を刺す」❽野球で、走者をタッチアウトにする。刺殺する。「一塁ランナーを牽制球で刺す」❾感覚器官や心に強い刺激や衝撃を与える。「北風が肌を刺す」「臭気が鼻を刺す」「冷気が身を刺す」「酒井のことばは、いたく主税の胸を刺した<出典>〈鏡花〉出典>」可能刺せる