[自下一]❶[耐・堪] 苦痛や困難に屈せずじっと我慢する。辛抱する。こらえる。「悲しみ[痛み・孤独]に耐える」「こんな生活には耐えられない」使い方「耐え難きを耐える」のように、他動詞としても使う。読み分け「痛みに堪える」など「〈名詞〉に堪える」は「たえる」と読み、「痛みを堪える」など「〈名詞〉を堪える」は「こらえる」と読むが、「堪え難きを堪える」 「厳しい冬を堪える」 「憂鬱な時間を堪える」などは「たえる」と読む。ただし、いずれの場合も①の「たえる」は「耐える」と書くのが一般的。
❷[耐・堪] 外部からの力に屈せず持ちこたえる。「激務[労役]に耐える」「会長の重責に耐える」「この寺院は幾百年の風雪に耐えてきた」「地震に耐える構造」使い方「高熱を耐える」のように、他動詞としても使う。
❸[堪] それだけの力があって十分に満足させることができる。また、そうするだけの価値がある。「手荒な使用に堪える商品」「新しい精神の表現に堪える日本語が摸索されている」「そんな話は聞くに堪えない」❹[堪] 《「…に堪えない」の形で》その気持ちをおさえることができない。「喜びに堪えない」「遺憾に堪えない(=極めて遺憾だ)」「寒心に堪えない(=心配でたまらない)」「感に堪えない(=感極まった)声を発する」「煩に堪えない(=煩雑さがやりきれない)」
書き分け「重責[任]に堪える」など①②は[堪] も好まれるが、今は一般に[耐] を使う。 使い方「感に 堪える/堪えない」は、否定の有無にかかわりなくほぼ同義となる。前者は③の、後者は④の意。文た・ふ(下二)努力/我慢隠忍 隠忍自重 打たれ強い 我慢 堪える・怺える 忍ぶ 受忍 辛抱 耐忍 耐乏 耐え忍ぶ・堪え忍ぶ 忍苦 忍耐 痩せ我慢