[自五]❶自分の力で空中を移動する。「渡り鳥が北へ北へと飛んでゆく」「ハエが頭の上を飛ぶ」「飛行機が上空を飛ぶ」書き方飛翔する意では「▼翔ぶ」とも。
❷人が飛行するものに乗って移動する。特に、そのようにして目的地に行く。「ヘリコプターで都内の上空を飛ぶ」「ジェット機で飛べば三時間で着く」「成田からパリに飛ぶ」❸力(特に、風力)を加えられて空中を移動する。「ボールが飛ぶ」「弾丸が飛んでくる」「風で花粉が飛ぶ」「突風にあおられて洗濯物が飛ぶ」「新作小説が飛ぶように売れる」❹スキー競技で、規定のジャンプを行って空中を飛行する。「ノーマルヒルで九〇メートルを飛ぶ」使い方「ノーマルヒルを飛ぶ」のように、~ヲに同族目的語をとって他動詞としても使う。
❺はねて勢いよく空中に散る。「フライパンから油が飛ぶ」「水たまりから泥が飛ぶ」「電線から火花が飛ぶ」「波が砕けてしぶきが飛ぶ」「怒りの反論でつばが飛ぶ」❻つながっていたものが勢いよく離れる。「一刀両断、首が飛ぶ」「過電流でヒューズが飛ぶ」❼(地面に足がつかないほど)大急ぎである場所に行く。速い速度で移動する。「記者が現場に飛ぶ」「大慌てで飛んでいく」❽行方をくらまして遠くへ逃げる。高飛びする。「犯人は海外に飛んだらしい」❾思いが遠くまで至る。「心ははや故国へと飛ぶ」❿ある技や動作がすばやくしかけられる。「大技が飛ぶ」「顔面にパンチが飛ぶ」⓫勢いよく(また、遠慮なく)言い放たれる。「選手に声援[激励のことば]が飛ぶ」「野次が飛ぶ」⓬情報がすみやかに(また、広く)伝わる。「デマ[うわさ]が飛ぶ」「次々に命令[指令]が飛ぶ」⓭あったものが消えてなくなる。「アルコール分が飛ぶ」「ローンの返済でボーナスが飛ぶ」⓮順序よく並んだものの一部が抜ける。また、順序を無視して話題が移る。「本文が一六ページ飛んでいる」「番号が飛ぶ」「CDの音が飛ぶ」「話があちこちに飛ぶ」⓯《多く「とんで(い)る」の形で》飛躍している。「とんでる人はやることが違う」「あいつ、かなりとんでる」「ぶっとんだストーリー」書き方「▼翔ぶ」を使うが、かな書きも多い。
可能飛べる