[他五]❶《「…と」などで直前に生じた出来事を示して》物事を知覚・認識する。「光ったと思った瞬間に雷が落ちた」「本を読んでると思ったら、もう寝ている」❷物事に対して、その気持ちが自然にわき出る。感じる。「親切を有り難く思う」「不祥事を遺憾に思う」「母を恋しく思う」「足湯は、少し熱いと思ってもすぐに心地よくなりますよ」❸物事について、直感的または当座の判断を下す。また、判断を自分の意見として示す。「うそだと思うなら、彼に聞いてみろ」「どう思おうと君の勝手だ」「僕は彼女 が/を 正直だと思う」「自分を不幸だなんて思わない」「今期は業績が悪化すると思う」「彼は犯人だと思う」使い方事実の報告が求められる場面で「…と思う」を添えると、十分に事実を把握していない、無責任な発言だと見なされることがある。「今期は業績が悪化していると思います」
❹《「…と思われる」の形で》その場の証拠や状況から自然と導かれる判断や予想を示す。「株価は反落すると思われる」「状況から見て、彼が犯人ではないかと思われる」「夜半には台風が上陸するものと思われる」使い方しばしば、判断や説明の責任を曖昧にして、根拠の薄い主張や判断を当然のことのように示すのにも用いられる。「過去の因縁がこの事態を招いていると思われます」
❺《「…か」 「…だろう」 「…たい」 「…う[よう]」などに添えて》主観的な気持ちを、そこに生じたこととして、客観的な事実として示す。「どうしようかと思っているところだ」「彼女は教師になりたいと思っているようだ」「さらに研究を続けようと思います」使い方⑴「…か」 「…だろう」 「…たい」 「…う[よう]」などで示される疑問や推測、希望、決意などは、発話時点の話し手の主観的な気持ちを表す。「と思う」を付けることで、別の時点や他人の気持ちを表したり、自分の気持ちを客観的な状態として表したりする。「教師になろうと思います」⑵自分がすべき行為を宣言するときに「と思う」を添えることもあるが、やや冗長。気持ちを表明するだけで必ずしも実行は伴わないと解釈される場合もある。「会議を開こうと思います」「深くお詫びしたいと思います」 ❻特定の物事を気にして、周辺のことなどもあれこれ併せ考える。「将来のことを思うと不安になる」「卒業したときのことを思うと今からうきうきする」「昨年のことを思うと今の幸せが噓のようだ」❼特に特定の人のことを気にかける。「子を思う親の愛はいつの時代も変わらない」「彼女を思う気持ちは誰にも負けない」「亡き母を思うと心が苦しくなる」
相手により、気遣いや恋心、追慕など、さまざまな意に解釈される。 ❽《「…を思わせる」の形で》様子が似ている。彷彿とさせる。「息子の姿は在りし日の父を思わせた」「大理石を思わせる肌のきめ」❾考えが巡る。「我思う、ゆえに我あり」「今にして思えば僕も若かった」「思ったより金がかかった」
「…と」や「…を」を伴わない自動詞的な用法で、頭の中で考えが巡らされたことを示す。
書き分け⑴[想] は主に心にイメージを描く意で使うが(幼少のころを想う・想う人はもういない)、今は一般に[思] を使う。⑵忘れないで思う意で「▽憶う」、懐かしく思い出す意で「▽懐う」、心を傾注して考える意で「▼惟う」、心中深くかみしめて思う、念じる意で「▽念う」とも書くが(過ぎし日のことを憶う・故郷を懐う・人世の無常を惟う・仏を念って仏道に帰依する/幸いあれと念う)、今は[思] を使う。 可能思える名思い思う/思うアイディア 異存 一存 意中 覚える(憶える) 思し召し 思し召す 思い(想い) 思い当たる 思い余る 思い合わせる 思い浮かべる 思い返す 思い込み 思い込む 思い過ごし 思い出す 思い立つ 思いつき(思い付き) 思いつく(思い付く) 思い詰める 思い通り 思い直す 思い巡らす(思い回らす) 思い遣る 思惑・思わく 考えつく(考え付く) 感想 幻想 恋する 雑感 雑念 思想 思潮 偲ぶ 邪念 所懐 所感 所存 随想 寸感 存じ 存ずる 着意 着想 通念 念頭 発意 発想 妄想 余念