[動下一][自]❶その物の存在や動きが目でとらえられる。「窓から海が見える」「向こうに鉄塔が見える」「木が倒れているのが見える」「笑うと八重歯が見える」「さっきから彼の姿が見えない」「目に見えて(=はっきりと分かる形で)大きくなる」❷《「目が見える」の形で》物を見る能力がある。また、目が物の存在や動きをとらえられる状態にある。「猫は暗がりでもよく目が見える」「事故で目が見えなくなる」❸見た感じでそのように判断される。また、見た感じがそのように判断される。「私には彼はまだほんの子供に見える」「健康そうに見える」「死人のように見える」「どこから見ても本物に見える」「楽しげに見える」「若く見える」「少し違って見える」使い方判断を表す内容を、体言+断定の助動詞「だ」の連用形「に」、形容動詞連用形「~に」、形容詞連用形「~く」、動詞連用形+「て[で]」などの形で受ける。
❹閲覧できる形で書物などに記録登載されている。見られる。ある。「その逸話は史記に見える」「新聞に幾つかの反対意見が見える」❺あるものにそのような印象や様子が感じられる。見てとれる。観察される。「証書に改竄の跡が見える」「景気に回復の兆しが見える」「表情に疲れが見える」❻《「…と見える」の形で》外見から判断してそのようだと思われる。見受けられる。「男はまだ三〇歳過ぎと見える」「よほど困っているものと見えます」❼未来の姿や物事の内容などが具体的なイメージとしてとらえられる。「目を閉じれば自分の未来が見えてくる」「体質の違い[敵の戦略]が見えてくる」「なかなか実体が見えない」❽「来る」の尊敬語。おいでになる。いらっしゃる。「お客様が見えました」更に尊敬の度合いを高めた「お見えになる」は二重敬語になるが一般化している。注意⑴尊敬の助動詞「られる」を付けた「見えられる」は標準的でない。⑵相手(訪問者)の到着を自分側(訪問される側)の視覚に基づいていう語で、謙譲表現・依頼表現などとはなじまない。「× 四時ごろお見えください→○ いらして[おいで・お越し]ください」「× 当店にお見えいただきありがとうございます→○ 当店にいらして[おいで・お越し]いただきありがとうございます」 ❾《主に「よく見える」の形で》眼鏡や受像機の像が細かいところまで鮮明に知覚できる。「この眼鏡は遠方までよく見える」[補動]《連用形+「て[で]」に付いて》東海・岐阜地方の方言で、「…てい(居)る」 「…てゆく」 「…てくる」の尊敬語。…ていらっしゃる。「考えて[帰って]みえる」「承知をしてみえる」書き方かな書きが多い。使い方「午後には戻ってみえるの?」 「お母上は明日訪ねてみえます」など、「…ていらっしゃる」の意で移動動詞を受けるものは、共通語化している。「…てくる」の尊敬語に相当する。
文み・ゆ(下二)名見え
見る/見る一瞥 一覧 一見 窺う・覗う 閲覧 垣間見る 回覧(廻覧) 看取 看破 御覧 視線 下見 実見 視認 借覧 盗視 内見 内覧 盗み見 覗き込む 覗く(覘く) 発見 ぱっと見 見る(診る・観る・視る・看る・覧る) 目撃