[動下一]
[他]❶人に示してある物が見えるようにする。また、ある物を見るようにさせる。見させる。「係官に身分証明書を見せる」「友人にノートを見せる」「腕をまくって傷痕を見せる」「敵に後ろを見せて逃げる」「〔店員に〕そこの時計を見せて(=手近で見られるようにして)ください」「子供にサーカスを見せる」「いやがる証拠写真を見せる」❷特定の動作や演技などを作りなしてそれを示す。やって見せる。披露する。「選手たちが堂々の行進を見せる」「ベテラン俳優が迫真の演技を見せる」「泳法の手本を見せる」「名人芸を見せる」❸言語・行動・態度・表情などを通して内在的なものを外に表し示す。「会社側は被害者に十分の誠意を見せた」「冷たいそぶりを見せる」「驚きの様子を見せる」「横綱の意地を見せる」「相手に弱みを見せる」「音楽に才能を見せる」「手の内を見せる」「お恥ずかしい姿をお見せしました」❹そのものがそうでないものに見えるようにする。「紙を散らして降雪に見せる」❺そのような性質をもったものに見えるようにする。「優雅なことば遣いが彼女を上品に見せている」❻映画や芝居がよくできていて、人をして自然に見入るようにさせる。「この芝居は最後まで面白く見せる」「なかなか見せる映画だった」書き方美的な表記として「魅せる」とも当てる。「魅せる野球[デザイン]」
❼診察をしてもらう。また、専門的に鑑定や調査などをしてもらう。「子供を医者に診せる」「掛け軸を鑑定士に見せる」「しかるべき人に見せれば故障の原因もはっきりしよう」❽《「…に姿[顔]を見せる」などの形で》自分の姿が人の目に入るようにする意を表す。…に姿[顔]を現す。「週に一度は同好会に顔を見せる」「朝日が山の端に顔[姿]を見せる」「富士山が雲間に姿を見せる」❾物事に対してある姿勢や反応を表し示す。「演劇に興味を見せる」「仕事に熱意を見せる」「法案の成立に積極的姿勢を見せる」❿物事がその状態や推移・変化などを現し示す。「町並みが落ち着いたたたずまいを見せる」「景気が回復の兆しを見せる」「台風が衰えを見せる」「政局が意外な展開を見せる」「理論がほころびを見せる」
使い方謙譲表現に「ご覧に入れる」 「お目にかける」 「(御)高覧[尊覧・貴覧]に供する」、謙遜した言い方に「(御)笑覧に供する」などがある。
[補動]《動詞の連用形+「て[で]」に付いて》❶人に見えるように実際にその行為をする。「うなずいて見せる」「ほほえんで見せる」❷話し手の強い意志(=決意)を表す。「何としても彼に勝って見せるぞ」「パソコンは夏休み中にマスターして見せる」文み・す(下二)