[自上一]❶《「〈場所〉ニ 〈もの〉ガ満ちる」の形で》ある場所に、あるものがあふれそうにいっぱいになる。充満する。「水槽に水が満ちている」「反対派が会場に満ちている」「体内に活力が満ちている」「不合理が世に満ちている」「早春の気が山野に満ちる」❷《「〈場所〉ガ 〈もの〉ニ/デ満ちる」の形で》ある場所が、あるものによっていっぱいになる。充満する。「会場が反対派 に/で満ちている」「部屋は花の香りに満ちている」「表情は不安に満ちている」「人生は希望に満ちている」「敵意に満ちたまなざし」「自信に満ちた顔」使い方強調した言い方に「満ち満ちる」がある。「喜びに満ち満ちた表情」
❸極限の状態になる。「潮が満ちる」「任期が満ちる」「月が満ちて二世が生まれる」文語「満つ」は古くは四段に活用。中世以降上二段化し、さらに上一段の「満ちる」に転じた。書き分け[充] は、充満する意で「事件は謎に充ちる」などと使うが、一般には[満] 。
使い方打ち消しで用いる場合、「ない」を直接付けた「満ちない」はほとんど使われず、「満ちていない」 「満ちることはない」や、「満つ」に「ない」を付けた「満たない」など別の表現が使われる。[満つ]文み・つ(上二) 満ちる/充実横溢(汪溢) 自足 充溢 充実 充足 足りる 満ち足りる満ちる/充満溢れる 埋まる 埋める 埋まる 埋める オーバーフロー 充塞 充満 湛える 足りる 詰まる 詰める 氾濫(汎濫) 塞がる 塞ぐ 膨満 飽和 満員 満水 満たす(充たす) 漲る