[自五]❶霞・霧・もやなどがかかる。また、そのために(遠くの)物がぼうっと見える。「大空は梅のにほひにかすみつつ曇りも果てぬ春の夜の月<出典>〈藤原定家・新古今〉」「霧雨に街の灯がかすむ」「涙で文字がかすむ」❷目がはっきりと見えなくなる。目がぼうっとする。「疲労で目がかすむ」❸記憶などがぼんやりとする。「三〇年も前のことだから、記憶がかすむのも無理はない」❹他のすぐれた存在のために、あるものが目立たなくなる。影が薄くなる。「脇役の名演技で主役がかすんでしまった」「倫理の問題が解散の大合唱の陰でかすんで見える」
「掠める」と同語源。書き方①③④は[霞] 、②は多く[翳] を使う。名かすみ自然の現象/曇る陰る(蔭る・翳る) 曇らせる 曇る