[動上一][他]❶目の働きによって物の存在や動きをとらえる。「窓外の景色を見る」「前を見る」「赤ん坊を見ていると心がなごむ」「見れば見るほどそっくりだ」「それ見たことか」❷絵図・写真や文字列などに目を通して、その内容をつかむ。また、答案や校正刷りなどを読んで適否を調べる。「画集[地図]を見る」「回覧板を見て情報を得る」「朝刊はもう見ましたか」「模試の答案は佐藤先生にも見てもらう」「初校は僕が見た」❸娯楽や学習などのために、観戦したり鑑賞したり見物したりする。「相撲[映画]を見る」「テレビで国会中継を見る」「ピカソ展を見る」「日光は東照宮を見てきた」❹《「夢を見る」などの形で》眠っている最中に脳内にあるイメージを作り出す。「昨日は幼なじみの夢を見た」使い方~ヲに〈結果〉をとる。「苦しむさまを夢に見る」など、~ヲに〈対象〉をとる言い方もできる。
❺舌や手などの感覚によって物事を知る。「煮物の味を見る」「湯加減を見る」「車を走らせてエンジンの調子を見る」❻占いによって未来を予見する。また、表面的な現象から奥に隠された意味を読み取る。占う。「タロットで運勢を見る」「風水によって家相を見る」「手相を見る」❼医者が診察する。また、医療上の検査をする。「患者を診る」「医者に診てもらう」「病状を診る」「聴診器で胸を診る」「脈を診る」[[書き分け]]❽引き受けて、独り立ちが困難な人の世話をする。また、監督する立場で手のかかる面倒な仕事を引き受ける。「看護士がつきっきりで患者を見る」「子供の面倒を見る」「公認会計士に会社の経理を見てもらう」「役員として労務管理を見る」❾異常が起こらないよう注意して見守る。「この荷物ちょっと見て(い)てください」❿周りの状況や相手の反応などを注意深くうかがう。「状況を見て判断する」「相手の反応を見る」「上司の顔色を見る」⓫《「~と見る」 「形容詞連用形+見る」などの形で》周りの状況にてらしてある判断を下す。「社長は今が規模拡張のチャンスだと見ている」「私は撤退を勇気ある決断と見る」「相手を甘く見てはいけない」⓬人柄・能力のよしあしやものの価値をきちんと判断する。見定める。見極める。「人を見る目がない」「美術品を見る確かな目を持っている」「人を見て法を説け」⓭《「…目を見る」の形で》ある(好ましくない)ことを体験する。…の思いを味わう。…の目に遭う。「敗北の憂き目を見る」「痛い目を見る」「ばか(な目)を見る」「一人だけいい目を見る」⓮ある現象の成立を観察報告する側から客観的にいう。~が見られる。~がある。「壁の一部に損傷を見るも危険はない」「夜半に心機能低下を見るが翌朝には回復す」使い方一般に主語(=報告主)は表面に現れない。
⓯決定的な物事の成立を観察報告する側から重々しくいう。~が成立する。「大作はその一年後に完成を見た」「問題は未来永劫に解決を見まい(=解決すまい)」⓰《「余裕を見る」などの形で》予定を立てるときに時間的ゆとりを計算に入れる。「締切日は一週間の余裕を見て設定した」⓱《「から見て」などの形で》話し手が評価を下す場合の視点を表す。からすると。からいうと。「実績から見て、優勝は間違いない」「実用の点から見ると、非常に使いにくい」「君から見たら簡単だろう」使い方比較の気持ちが添えられることもある。「国家予算から見ればわずかな金額だ」
[補動]《動詞の連用形+「て[で]」に付いて》❶試しに…する意を表す。「一口だけ食べてみよう」「天ぷらにしてみてはどうだろう」❷《「…てみると」 「…てみれば」 「…てみたら」の形で》次のことが実現・成立するための条件(確定条件)を表す。「歩いてみると一時間もかかった」「考えてみれば自分の方が悪かった」「一夜明けてみたら何もなかったかのようだ」❸《「…にしてみれば」などの形で》…の立場に立って(身になって)考えるとの意を表す。…としては。…にしては。「彼らにしてみれば、実に迷惑なことだろう」「親御さんにしてみても、さぞやおつらいことでしょう」書き分け診察する・医療上の検査をする意の⑦は[診] を使うが、平易な表記として[見] も使う。[観] は観察・観光、占う、(遠くから)見物する意(昆虫の生態を観る・手相を観る・映画を観る・名所旧跡を観る)、[視] は正視・監視などの意(視れば視るほど美しい・対象を客観的に視る・被災地を視る)、[看] は世話をする意(病人を看る・赤ん坊を看る)、[覧] はひととおり目を通す意(新聞を覧る)で使うが、今は[見] が一般的。は一般にかな書き。 使い方可能形は「見られる」。「見れる」はら抜き言葉。文みる(上一)見る/見る一瞥 一覧 一見 窺う・覗う 閲覧 垣間見る 回覧(廻覧) 看取 看破 御覧 視線 下見 実見 視認 借覧 盗視 内見 内覧 盗み見 覗き込む 覗く(覘く) 発見 ぱっと見 見える 目撃