[自五]❶人や動物が足を交互にすばやく動かして移動する。かける。「ランナーが全速力で走る」「チーターが草原を走る」「廊下を走ってはいけない」「家から駅まで走って行く」「彼は走るのが速い」使い方「マラソンを走る」のように、同族目的語(=競技名)をとって他動詞としても使う。
❷乗り物などが進む。また、運行する。「電車が郊外を走る」「ヨットが湖上を走る」「ここのバスは十二時を過ぎても走っている」❸目的の場所へ急いで行く。急行する。急ぐ。「取るものもとりあえず事故現場へ走る」「悲鳴を聞いて隣室に走る」❹目的達成のために急いで行動する。特に、安易な手段での解決を急ぐ。「ドル買いに走る」「対抗策として対立候補の擁立に走る」「売上げ減となるとすぐさま値上げに走る」❺ある目的のために忙しく動き回る。東奔西走する。駆けずり回る。飛び回る。「金策に走る」「賛成の取り付けに走る」❻(急いで)逃げ去る。また、逃げてある側につく。「味方を裏切って敵方に走る」❼水などが勢いよく流れる。また、水などが飛び散る。ほとばしる。「岩間を清水が走る」「傷口から血が走る」❽すべり出る。「刀が鞘から走る」❾投げた球がスピードに乗る。「今日はボールがよく走っている」❿文字・文章などが思いどおりに書ける。「すらすらとペンが走る」「筆が走り過ぎて筆禍事件を起こす」⓫ある方向や状況に強くかたむく。「悪の道に走る」「非行に走る」「流行に走る」「極端に走る」「感情に走る」「欲に走る」「私利私欲に走る」使い方あるべき状態にとどまれない意から、多くマイナスに評価していう。
⓬ある方向に通じている。また、細長く延びる。「南北に国道が走る」「東西に山脈が走る」「道路に亀裂が走る」「全身に走っている神経」⓭光・音などが瞬間的に現れて消える。「夜空に稲妻が走る」「閃光が走る」⓮ある感覚・感情などが瞬間的に現れて消える。「肩に痛みが走る」「顔に不安の影が走る」「声を聞いただけで虫酸が走る」書き分け[奔] は勢いよく走る意、[趨] は足早に赴く意、[疾] は「疾走」をふまえて、それぞれ「敵方に奔る」 「党利党略に趨る」 「野獣[稲妻]が疾る」などと使うが、一般には[走] でまかなう。 可能走れる名走り体の動き/走る逸走 一足飛び(一足跳び) 快走 駆け足(駈け足) 駆ける(駈ける) 疾駆 疾走 ジョギング 追走 突っ走る 独走 遁走 爆走 走り 走り回る 直走り ランニング 力走