[助動 下一型](せ–せ–せる–せる–せれ–せよ・せろ)❶使役を表す。「息子に荷物を運ばせる」「生徒に運動場を一周させる」「いやがる二人をむりやり会わせる」「代理として娘 に/を 行かせる」「子供を使いに行かせる」使い方実際の動作主には「に」または「を」を使う。
❷放任・許容を表す。「言いたいやつには言わせておけ」「希望者には好きなだけ持って行かせよう」「私にも少し休ませてくれ」使い方実際の動作主には「に」を使う。「一週間ほど彼を休ませよう」の場合は、①の意。
❸《「てもらう」 「ていただく」とともに使って》自分の行為が他人の許容の内にあるという、配慮の気持ちを表す。「内緒で手紙を読ませてもらった」「しばらく休ませていただきます」![[参照]](Images/mingjing/gaiji/参照.svg)
[させていただく]❹物を放置して、不本意な状態にする意を表す。「部屋を遊ばせていてはもったいない」「野菜を腐らせてしまう」使い方実際にその作用が生じる物には「に」は使わずに「を」を使う。
❺取り返しのつかない事態を引き起こす意を表す。「子供を死なせてしまう」「息子に事故を起こさせた責任をとる」使い方実際の動作主には、自動詞のときは「を」、他動詞のときは「に」を使う。
❻《「…に言わせると」などの形で》![[参照]](Images/mingjing/gaiji/参照.svg)
[言わせる④]❼引き起こす意の他動的な表現を作る。「(彼が母の死を悲しむ→)母の死が彼を悲しませる」「驚かせてごめんね」「泣かせる話じゃないか」「(車が走る→)車を走らせる」「風船を膨らませる」「目を輝かせる」「希望に胸をふくらませる」「停滞前線が雨を降らせる」❽〔古風〕《「せられる」 「あらせられる」 「せ給う」の形で》最高位の敬意を表す。「読者諸賢におかせられては、…」「お健やかにあらせられる」「大叔父にあたらせ給う」
文語形は「す」。使い方⑴五段動詞とサ変動詞の未然形に付く。上一段・下一段・カ変動詞の未然形には「させる」が付く。![[参照]](Images/mingjing/gaiji/参照.svg)
[さ入れ言葉]⑵二字漢語や和語のサ変複合動詞に付く場合、「勉強さ+せる」 「やりとりさ+せる」など、未然形「~さ」に「せる」が付くのが一般的。一字漢語に付く場合は、「愛させる」 「屈させる」など「~さ+せる」の形をとるもの、「熱しさせる」 「信じさせる」など「~し(じ)+させる」の形をとるもの、「達せさせる」 「感ぜさせる」のように「~せ(ぜ)+させる」の形をとるものがあり、「屈させる/屈しさせる」 「達しさせる/達せさせる」 「感じさせる/感ぜさせる」など、両形の見られるものも少なくない。「愛させる」 「屈させる」など、サ行五段動詞「愛す」 「屈す」が想定できるものは、五段の未然形「~さ」に「せる」が付いたものとも解釈できる。また、「信じさせる」 「感じさせる」など、ザ行上一段動詞「信じる」 「感じる」が想定できるものも、上一段の未然形「~じ」に「させる」が付いたものとも解釈できる。同じ「~し+させる」でも、「熱しさせる」 「屈しさせる」 「脱しさせる」など、「熱しる」 「屈しる」 「脱しる」といった上一段動詞が想定できないものは、サ変動詞「熱する」 「屈する」 「脱する」の未然形「~し」に「させる」が付いたものと解釈する。文語では、「愛せさせ給う」のように「さす(口語の『させる』に相当)」が「せ」に付く。「達せさせる」や「感ぜさせる」など、「~せ(ぜ)+させる」の形のものは、この文語の形が残存したもの。⑶①~⑦は、話し言葉では、「せる」ではなく五段活用の他動詞「~す」を使うことがある。「通わす」 「休ます」など。