［自下一］❶固まっている物が力を加えられて、細かい破片になる。「コップが粉々に砕ける」「窓に当たって雨粒が砕ける」「主君のために玉と砕ける（＝玉砕する）」「当たって砕けろ」❷心に描いた理想や思わくなどが壊れてしまう。潰える。「つれない返事に夢も希望も砕けてしまった」❸態度などが堅苦しくなくなる。うちとける。「緊張がとれて態度が砕けてきた」「砕けた話しぶりに好感を持つ」「砕けた話題で座がにぎわう」❹言葉の表現が分かりやすくなる。特に、その語の文体的特徴が、堅苦しくなくて親しみやすくなる。「もっと砕けた言葉で云い直すと、事件の責任は全く自分にないという事に過ぎなかった<出典>〈漱石〉」「『やっぱり』は『やはり』の砕けた言い方」❺（修辞的な言い方で）水面に映る影（特に、月の影）が、波の動きとともに姿を崩しながら揺れ動く。「月が美しく埠頭にくだけて、今着いた船からぞろぞろと人が上った<出典>〈花袋〉」「池に宿る月は、風もないのに、千々に砕けてみえるような気がした<出典>〈三島由紀夫〉」文くだ・く（下二）
［自他下一］「砕く」の可能形。砕くことができる。「堅すぎて歯では砕けない」
書き方「▼摧ける」とも。壊れる／破壊粗ごなし（荒ごなし） 打ち壊す（打ち毀す） 瓦解 欠ける 玉砕（玉摧） 砕く 決壊・決潰 誤爆 壊す（毀す） 壊れる（毀れる） 自爆 折損 損壊 大破 取り壊す（取り毀す） 破壊 爆砕 爆破 爆発 破砕（破摧） 破断 破裂 パンク 打ち壊す・打ち毀す 分解 粉砕 分裂 破る