[名]❶その人、そのものの役に立つこと。利益(になること)。「耳に痛いがためになる話だ」「家族のためを思って我慢する」❷《「…のために」の形で》…に役立つように。…の利益になるように。「チームのために頑張る」「後々のために言っておくが、…」❸《「…のための」の形で》…に役立つ。…を利する。…用の。「新聞小説のための挿絵」「死者のためのミサ曲」❹《「AのためのA」の形で》Aだけを目的とする意。「芸術のための芸術」「反対のための反対」❺《「…ため(に)」の形で動詞や助動詞の連体形を、「…のため(に)」の形で体言を受けて》次に述べることの目的を表す。「生きるために働く」「事件を忘れないためにも記録をとる」「目標達成のため努力する」使い方⑴形容詞・形容動詞の場合は、「…あるため」の形にしたり、名詞に変えて「ため」を続けたりする。「美しくあるために努力する」「健康のために山登りをする」⑵古風な言い方に、動詞未然形を受ける「…んがために」がある。「子の命を救わんがために危険を冒す」 ❻《「…ため(に)」の形で活用語の連体形を、「…のため(に)」の形で体言を受けて》次に述べることの原因・理由を表す。…によって。…のせいで。…のゆえをもって。「無理をしたために病気になった」「道が狭いために車が入れない」「家が手狭なため、改築する」「美しさのために人から妬まれる」「交通至便のために地価も高い」使い方古風な言い方に、体言や動詞連体形を受ける「…がために」がある。「これがために苦労した」「不祥事を起こしたがために失脚した」