[副助]❶それを他からきわだたせて示す。「これこそ私の探していたものだ」「あなたこそお元気そうでなによりです」「それでこそプロの料理人だ」「苦労してこそ喜びもひとしおだ」❷《「…こそすれ」 「…こそ…だが」などの形で》物事を他から取り立てて、それと対比的な物事が否定されることを予測させる。…こそ…けれど。「喜びこそすれ怒ったりはしない」「男女の違いこそあれ二人はうりふたつだ」「害にこそなれ薬にならない」「物腰こそ慇懃だが、根は腹黒い」❸《動詞仮定形+接続助詞「ば」に付いて》理由を強調して示す。「子供のことを思えばこそ我慢してきた」使い方文語の名残で已然形+「ば」にも付く(「さればこそ(=それだからこそ)心配なのじゃ」)。未然形+「ば」の形に付くのは俗用。「四番 × ならば/ ○ なれば こその決勝打」
❹《動詞未然形+接続助詞「ば」に付いて、言いさしの形で》〔古風〕強い否定を表す。まったく…ない。「夢や希望のあらばこそ」文語文法では係助詞とする。使い方①の場合、文語では文末を已然形で結ぶ(係り結び)。②にもその名残がある。