[代]〔二人称〕軽い敬語として、同等以下の相手を指し示す語。妻が夫を親しんでいう場合や名前・身分などの分からない相手に使うことも多い。また、公用文で「貴下・貴殿」に代わることばとして使う。「あなたはそう言うけど、実際はどうかな」「〔アンケートなどで〕あなたはどう思いますか」「〔公用文で〕あなたから証人として証言を求めることになりました」書き分けかな書きが一般的だが、手紙などでは漢字書きも好まれる。[貴方] は男女ともに、[貴男] は男性に、[貴女] は女性に使う。
使い方本来対等または目上の相手への敬語だったが、今は目上に使うのは失礼だとされる。よそよそしい語感もあり、対等の相手にも使われない傾向がある。✦品格✧[おたく]「おたくはどちらへ?」[御身]「御身御大切に」[貴下]「貴下のご健闘をお祈りします」[貴殿]「貴殿のご尽力に感謝します」★「貴下」 「貴殿」は主に手紙で用いる。
「あなた」の敬語表現〔尊敬語〕[貴方]/[貴男]/[貴女]・あなた様 「貴方に差し上げました寸楮、早くに御閲読いただけたものと存じます」 「末筆ながら、あなた様のご健康とご多幸をお祈り申し上げる次第です」お宅様 「お宅様には御迷惑をおかけし、誠に申し訳ありません」[雅兄] 「雅兄からもよろしくお口添えください」[学兄] 「学兄の貴重な御意見、ありがたく拝読しました」[貴下] 「立春の候、貴下ますます御清栄のこととお慶び申し上げます」[貴君] 「先般某紙にて、貴君の活躍ぶりを拝見しました」[貴兄] 「貴兄の御厚意に深く感謝いたします」[貴所] 「貴所におかれましては益々の御活躍、恐悦至極に存じます」[貴女] 「貴女の御尽力に心より感謝申し上げます」[貴台] 「貴台に(おかれまして)は、ますます御健勝のこととお慶び申し上げます」[貴殿] 「貴殿にぜひ御教示を賜りたく、お願い申し上げます」[貴方] 「貴方には大変ご面倒をおかけいたし、申し訳ございませんでした」[兄] 「兄の御活躍を楽しみにしております」[賢兄] 「賢兄もぜひ我が家にお越しください」[賢台] 「賢台の御協力を切にお願い申し上げる次第です」[仁兄] 「仁兄のお心遣い、誠にありがたく存じます」[足下] 「足下の御協力を仰ぎたく、お願いいたします」[尊兄] 「尊兄もお体をどうぞ大切にお過ごしください」[尊台] 「尊台にはますます御健勝のこととお慶び申し上げます」[尊堂] 「尊堂の御健康をこころよりお祈り申し上げます」[大兄] 「大兄の変わらぬ御活躍を心から嬉しく存じます」[老兄] 「久しぶりに老兄にもお目にかかりたく存じます」*「あなた(様)」 「お宅様」以外は、主に手紙などの文章で使う。*「あなた」は、本来対等または目上の人に対して使ったが、現在は目下の人に使う傾向がある。「あなた様」と「様」を添えても、目上の人には使いにくい。*本来は、対等または目上の人には「貴殿」 「貴方」 「賢台」 「尊台」 「尊堂」を、同等(以下)の人には「貴下」 「貴君」 「足下」などを使うものだが、今では目下の人を格上げしてそれに使うことも多い。*「雅兄」 「学兄」 「貴兄」 「兄」 「賢兄」 「尊兄」は、本来、親しい男性の先輩・友人に対して使うものだが、今では目下の人を格上げしてそれに使うことも多い。*古い言い方に「御身」 「卿」 「尊公」などがある。人称/あなたあんた 汝・己 御前 御許 御身 貴下 貴君 貴兄 貴公 貴様 貴姉 貴女 貴殿 君 其処許 其方 足下 其方 其の方 汝 汝・爾 主