[動五][自]❶裏が表に上が下に前が後ろになるなど、物の向きが反対になる。「手のひら[シャツの襟]が返る」「下から上に返って(=順序を逆にして)読む」「でんぐり返る」書き方「反る」とも。
❷もとあった場所に戻る。「天に唾すればわが身に返る」「泥が跳ね返る」「あっ、自転車が自転車置き場に返っている」❸もとの持ち主に戻る。「落とし物が持ち主に返る」「答案用紙が返ってくる」「不良品が続々と倉庫に返ってくる」「払いすぎたお金が返る」❹もとの状態に戻る。特に、本来的な状態に戻る。「早く元気で働ける生活に返りたい」「夢からさめて現実に返る」「自然[童心・正気]に返る」「原点に返る(=立ち返る)」「人は死して土に返る」「我に返る」「生き返る」❺一方の働きかけに(同じようなしかたで)もう一方が応じる。「反論の言葉が返る」「色よい返事が返る」「声が壁に反響して返ってくる」「好返球が本塁に返る」❻〔古風〕一巡して再びその時になる。「春が返る」「年が立ち返る」《動詞の連用形に付いて複合動詞を作る》すっかり…する、ひどく…する意を表す。「静まり返る・さえ返る・あきれ返る・しょげ返る・煮え返る・むせ返る」「帰る」 「孵る」と同語源。書き分け巡ってもとの状態に戻る、返還される意では「▽還る」とも書くが(制度が昔に還る・領土が還る)、今は[返] が一般的。
可能返れる名返り