[名]❶雨・雪・川・湖沼・地下水・海などとして自然界にごく普通に存在する無色透明の液体。飲用・洗浄用のほか多くの用途がある。動植物体の構成成分としても重要で、生物の生命の維持に欠かせない。化学的には水素と酸素の化合物で、常温では液体、蒸発して水蒸気に、氷点下で氷になる。化学式 H2O 「岩の間から水が湧く」「水を飲む」「水で洗う」❷(湯に対して)温度の高くないもの。「この洗面台は水しか出ない」「水で割って焼酎を飲む」❸人に害を与えるものとしての①。「水の被害」❹液状のもの。特に、動物の組織内にたまる液体。「ひざに水がたまる」❺相撲で、力水のこと。
使い方透明・清澄、自然、冷涼・冷静、淡麗・淡泊などのたとえにいう。「心清きこと水のごとし」「流れる水のように自然に生きる」「俄に水の如き夜気が身に沁みて<出典>〈二葉亭〉出典>」「左馬之介の表情は、水のごとく冷静であった<出典>〈柴田錬三郎〉出典>」「交わりは淡きこと水のごとし」水/水閼伽 岩清水(石清水) 飲料水 潮・汐 お冷や 温水 海水 鹹水 下水 硬水 鉱水 潮(汐) 清水 重水 上水 浄水 蒸留水 水 清水 静水 濁水 淡水 地下水 手水 泥水 手水 天水 泥水 生水 軟水 熱水 廃水 真水 ミネラルウォーター 銘水 湯水 用水 流水 冷水 若水 湧き水(涌き水)
⦿水が・出る
洪水が起こる。
⦿水が入・る
相撲で、水入りの勝負になる。
⦿水清ければ魚棲まず
清廉にすぎるとかえって人にうとんじられるたとえ。
⦿水と油
反発しあって互いに融和しないたとえ。油と水。
⦿水に流・す
過去のいざこざをなかったことにする。
⦿水に慣・れる
その環境になれる。「プロの水に慣れる」
その土地の水が体になじむようになることから。 ⦿水温・む
春になって寒さがゆるみ、水のあたたかさが感じられるようになる。「水ぬるむ季節」
⦿水の低きに就くが如し
物事は自然のなりゆきに従うということ。また、自然の勢いは人の力では止めがたいということ。
『孟子』から。 ⦿水は方円の器に随う
人は環境や人間関係に感化され、よくも悪くもなるということ。
水は容器の形に従って四角くも丸くもなることから。 ⦿水も滴る
みずみずしい美しさの形容。「水も滴るいい女[男]」
⦿水も漏らさぬ
構えが厳重緊密で、遺漏がないさま。「水も漏らさぬ警戒網を敷く」
注意「水も漏れぬ」は誤り。 ⦿水をあ・ける
水泳・ボートレースなどで、一身長・一艇身以上の差をつける。また、競争相手との間に差をつける。
⦿水を打ったよう
いっせいに静まりかえるさま。
⦿水を得た魚
![[参照]](Images/mingjing/gaiji/参照.svg)
[魚(魚の水を得たよう)]⦿水を掛・ける
盛り上がった動きのじゃまだてをする。水を差す。「改革の機運に水を掛ける」
⦿水を差・す
じゃまをする。特に、はたから仲のいい間柄のじゃまをする。水を掛ける。「友好関係に水を差す」
⦿水を向・ける
相手の関心が自分の思うところに向くように誘いをかける。誘い水を向ける。